この冬一番の思い出と言えば,カゼをひいたことです。それも,人生でワースト3に入るようなひどいカゼでした。
38℃が数日続き,熱が下がってきたかと思えば,咳が出始めて夜も止まらず,一睡もできない日が数日続きました。
これはあまりにひどいと思い,病院(高新医院)に行きました。
総合病院で,たいていの科が揃っています。友人から”中医”つまり漢方医を勧められ,そちらにかかることにしました。総合受付では場所を教えてくれるだけで,直接受診する科に向かいます。中医は2Fにあります。
ここがこの周辺の科の支払いをする場所ですが,まずここに行きます。何度かお伝えしたように,中国はほぼすべてにおいて先払いです。ですので,まずここで受付登録と共に受診料を払います。中医は6元(約100円)でした。
日本語が少しだけ話せる寡黙な先生が,まず脈をとり,とりながら症状を聞いて,最後に舌を見て,処方箋を書き始めました。聴診器などは一切使いませんので,服を脱いだりする必要も全くありません。
処方箋を書きながら,薬の種類を尋ねてこられました。どうやら,液体か顆粒のどちらがいいかということのようでしたので,日本の感覚で顆粒を選びました。顆粒は液体より値段は高いとのことでした。
処方箋を書き終わると,すぐに次の患者さんが入って来て,私は追い出されてしまいました。処方箋は先ほどの支払い所に持って行って支払います。5日分で80元(約1200円)近くかかりました。
支払いを済ませるとその領収書を持って調剤所に行き,薬を用意してもらいます。でも,ここで日本とはかなり違うことを経験しました。
しばらく待って出来上がった薬はコレです。
意味が分かるでしょうか?5日分と聞いていたのに,袋はこんなにあります。一体どうなっているのかとよく見ると,それぞれの袋には一種類の薬が入っていました。調剤所のおばちゃんの説明によると,毎回それぞれの袋から一包ずつ取り出して,それらをすべて混ぜて飲むようにということでした。
袋は11種類ありました。つまり…
この11種類すべてをお碗かコップに入れてお湯で溶かして飲むんです。(毎回これが結構面倒)
コップに全部を入れたところのアップです。
さて,ここからが苦難の始まりでした。残念ながらこれをお湯に溶かした写真は撮り忘れましたが,コゲ茶色の溶けきらないドロドロした液体が出来上がり,ニオイは日本で市販されている漢方薬の100倍濃い感じです。
飲んでみると…。……ニ・ガ・イ……。
そう,ニガイなんてもんじゃありません。木の根と土をお湯で溶いたものでも飲んでいるかのような,水に溶かした正露丸を飲んでいるかのような,何とも形容しがたい苦さです。
一口,二口は何とか飲めるのですが,三口目からニガ過ぎてのどが拒絶し始め,気合で飲むのですが,ただただとにかく口を素通りさせて胃に流し込もうと頑張る感じです。あまりのニガさにもう表情も無くなり震えがきます。まるで切腹をしている武士のような状態です。飲み切った時,ブルブルッと震えて,胃で直接ニガさを感じるんですが,想像できるでしょうか?
これを一日二回,5日間飲むんです。これは相当な試練です。結局飲みきれず,4日であきらめました。
結果ですが,漢方薬は副作用はないが効果が出るのが遅いと言われていて,結局カゼをひいてから完治まで2週間ちょっとかかりました。果たして意味があったのかなかったのか…。
ウッ…,今,書いていて味を思い出して吐き気がしました(×*×)。思い出したくないニガイ経験です。皆さんもカゼにはお気をつけください。