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中国バス事情(乗り方編)

西安で最も安価で便利な交通機関は恐らくバスでしょう。でも,慣れないうちは使うのが結構大変です。そこで,今日はバスの乗り方を紹介したいと思います。

まず,バスの種類は,おおまかに分けて2種類あります。固定料金のバスと距離に応じて料金が異なるバスです。

固定料金のバスの場合,始発から終点までどこまで乗っても料金は同じです。いわゆるワンマンバスで,料金を集める人はいなくて,自発的に料金を箱に投入して乗ります。このタイプは前のドア側に料金箱があるので,そちらから乗らないと運転手さんに怒鳴られることになります。下の写真のように書いてあるバスは確実にこのタイプです。「切符売りはいません」=”ワンマンバスです”ということです。

距離で料金が異なるバスの場合,料金箱はなく,料金を集める係の人が乗っています。ですので,前から乗っても後ろから乗っても大丈夫です(ただ,このタイプの大部分は小さなバスでドアが一つしかないですが)。ですが,問題は自分がどこまで乗るのかをきちんと言えないといけないということです。事前に行き先の地名とバス停名を調べておかないと面倒なことになります。それと,バスの中はただでさえうるさいので,大きな声でしっかり発音しないと,勝手に別の地名と思われるか,「ハァ?」と言われて何度も言い直させられるかになります。

それで,乗る前にバス停でじっくり調べておくのは大切です。路上で売っている市内地図にもどのバスがどこに行くのかという一覧表が載っているので,それは買っておいたほうが良いと思います(一枚2元)。

固定料金の場合,大部分は1元で,一部2元のものもあります。このタイプのうち,かなりの部分のバスでバスカードが使えます。

このカードを使うと,料金が半額になります。つまり,大部分のバスは0.5元(7〜8円程度)でどこまででも行けることになります。このカードは,「商業銀行」だけで購入できます。発行料が20元で,チャージしておく金額を上乗せして払って作ります。チャージ料金は30元,50元,100元の3種類です。無期限で使用でき,使い終わったらまたチャージできます。

基本料金の20元は10回以上乗ればもとが取れるので,30元のチャージで単純計算で60回乗れることからすると,一日平均2回乗る場合1ヶ月の滞在だと,カードを使わない場合より10元の節約になります。

たった10元(150円ほど)かと思いますが,使えば使うほど差が出てきますし,何よりも便利さが違います。というのは,ワンマンバスの場合,お釣りは出ないからです。つまり,バスに乗るたびに1元札を用意しておかなければならないんです。実はこれが結構面倒で,このカードを作るまでは買い物をする時にも絶えず1元札を残しておくように気をつけなければいけなくて,財布はどんどん膨らんできますしとても厄介でした。なので,もし1ヶ月以上の滞在を考えている方なら,すぐに作ることをお勧めします。

ちなみに,このカード,去年の夏までは乗車料金が2割引だったのが,秋から半額になったので現地の方も多くの人が持つようになりました。でも,まだ1元札を握り締めてバス停で待っている人はよく見かけます。

距離計算のバスの場合,ほとんどは3駅0.5元です。中には最低1〜2元からというのもあります。

さて,いよいよバスに乗りますが,まず必要なのは「覚悟」です。というのは,こんな状態になるからです。

こちらでは,一列に並ぶ習慣はありません。早い者勝ちです。別に最後に乗ればいいやと思うかも知れませんが,その場合最低でも最後の人の後ろにピッタリとくっついて乗る意志を示さなければ,運転手さんは平気で置いていってしまいます。それに,たいていの場合,これほど混雑している時は相当の覚悟がなければそのバスに乗れません。すぐに一杯になって,後ろで待っている人には運転手さんが「次のバスに乗れ!」と怒鳴るからです。でも,以前にも触れたとおり,ここのバスに時刻表はありません。次のバスが5分ほどで来ることもあれば,1時間近く待っても来ないことがあります。そして,次のバスが来る頃にはさっきと同じがそれ以上の数のお客さんが待っていて,前回と同じようにしているといつまでたっても乗れないことになります。ですから,バスケットのスクリーンアウトさながらに,入口に駆け寄って自分の順番を体を張ってキープしなければなりません。

乗り込んだら,できる限り奥のほうへ移動しましょう。どんなにギュウギュウ詰めでも,次のバス停ではさらに多くの人が乗り込んでくるからです。それに,前の方は混んでいても後ろの方は空いていることが少なくありません。また,ワンマンバスの場合,基本的には後ろからしか降ろしてもらえないので,降りる準備のためにもそのほうが良いかと思います。

降りる準備…これは大切です。なぜなら,降ろしてもらえないことがあるからです。「エッ?」と思うかもしれませんが,降りる意志を示す人がいない場合,バス停で止まらずに行ってしまうことが少なくありません。

まず,アナウンスをよく聞きましょう。行き先の地名が言われたらすぐに降り口近くに行ってください。でも,景色にも絶えず注意していないと,アナウンスが間違っている場合も多く,一つ前のバス停を言っていることがあります。そして,運転手さんがこう叫んだら特に注意してください。「下不下?!」(シヤ ブ シヤ?!) これは,「誰か降りるのか?!」ということです。降りる場合は迷わず「下!」(シヤ!)と叫びましょう。誰も何も言わなかったら,間違いなくそのバス停は通り過ごされます。

ついでに,降り口に行きたいのに混雑している場合,「譲一下」(ラン イー シヤ)(「通してください」)と言いましょう。言わないと誰も通してくれません。そして,降りるのを待っているように見える人にも必ず「下不下?」(シヤ ブ シヤ?)「降りるの?」と尋ねましょう。実はそこにいるだけの場合が少なくなく,降りるのに手間取っているとすぐに扉は閉まって,バスは発車してしまうからです。

いかがでしたでしょうか?西安のバスはこんな感じです。大変ですが,地下鉄がまだない今,やはり安くて便利です。タクシーなら最低4〜6元かかるからです。それに,タクシーの運転手に行き先を説明するのは,慣れないうちは至難の業です。中国語力かグローバルな表現力が必要です。でも,バスなら毎日使っているとすぐに慣れますし,安いので失敗してもダメージは少ないです。慣れるとそのうち,バス停やバスの中で中国人のお客からどう行けば良いのかと尋ねられることがあります。それに答えられるようだと本当にバスマスターですね。

鐘楼に大雁塔,また兵馬俑や始皇帝陵まで,たいていの場所はバスで行けます。是非バスマスターになって格安観光を楽しんでくださいね。

しろべえ

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