“聖女果”-これは中国のある果物の名前です。食べたことありますか?
何だかとっても想像をかき立てる名前ですね。“聖女”・・・う~む、神秘的な響きです。友人と話してて、今“聖女果”がすごくおいしいんだ、などと聞くと、きっとかなり珍しい果物なんだろうな~と思います。
すごく甘いんだそうです。
そして、とってもジューシーなんだそうです。
それでいて、見た目はツヤツヤしていて、光があたるとキラキラと光るんだとか。色は鮮やかな赤。
皮をむく必要はなく、洗えばすぐ食べられるんですって。
サイズは一口サイズ。
パクッと口に放り込み、噛むと口の中いっぱいに甘い汁が広がり、ちょっとだけ酸っぱくもあり、やわらかい果肉の食感が何とも言えないんだとか。
何だ?一体どんな果物なんだ?
その正体は・・・
これです。
何だ~、ただのミニトマトじゃないか~!
そうです。ただのミニトマトです。ナス科ナス属に属するあのミニトマトです。プチトマトとも呼ばれますよね。
これ、中国では果物として扱われているんです。市場でも、野菜売り場にはありません。必ず果物売り場にあります。スーパーでも、果物コーナーに置かれています。日本ではれっきとした野菜ですが。本当はどっちなんでしょう?
ウィキペディアで調べてみると、面白い記事が。以下はウィキペディアからの引用です:
『 1793年当時アメリカは輸入の際、果物には関税がかからず、野菜には関税が課せられていた。このため、トマトの輸入業者は、税金がかからないようにと「果物」と主張。これに対して農務省の役人は「野菜」だと言い張った。両者は一歩も譲らず、さらに果物派に植物学者も加わり、論争はエスカレート。とうとう、1893年に米国最高裁判所の判決を仰ぐことになってしまった。判決は「野菜」。裁判長はずいぶん悩んだと思われ、判決文には「トマトはキュウリやカボチャと同じように野菜畑で育てられている野菜である。また、食事中に出されるが、デザートにはならない」と書かれていた。』
いえ、ここではデザートとしてししか食べられていません…。アメリカでは結構大きな問題に発展したことがあったんですね。
実は、中国でも以前は野菜として扱われていたそうです。ここ近年になって、急に“聖女果”と名づけられ、果物として売られるようになったとか。(税金の問題かどうかは知りませんが。)
それはともかく、今確かにオイシイです、この“聖女果”。日本のミニトマトより甘くて大きいです。中国に来たら、サラダなどに入れるのではなく、是非フルーツとしてそのまま食べてみてください。おいしいですよ!