西安市民のエコな乗り物

 大気汚染が著しい西安に、2013年12月25日から提供され始めた公共のエコな乗り物、それが“公共自転車”です。もう3年以上経って、すっかり市民の足として定着しています。

 西安市内全域に、ほぼバスの停留所1つ分くらいの間隔で、上の写真のような利用スタンドが用意されていて、体力に自信さえあればこれだけを利用して無料で市内の観光地すべてを回ることも不可能ではないと思います(と言っても、すさまじい走行距離にはなりますが)。

 利用方法ですが、まず必要なのは「長安通」カード。これはバスや地下鉄に乗るためのカードですが、300元のデポジットを預けることでこのカードに公共自転車の利用機能を追加することができます。

 公共交通公司(略して公交公司)に行けば、手続きできますが、身分証と連絡先の電話番号が必要です。外国人の場合パスポートで登録します。

 もしカードを新規で作る場合、利用時に使うチャージ分としてさらに20元が必要です。すでに持っている「長安通」カードに機能をプラスする場合は、デポジットだけで手続きしてもらえますが、いずれにしてもチャージの残りが10元以上ないと自転車の利用はできない設定になっていますので、気をつけましょう。

 利用料金は、なんと1時間以内に返却すれば無料です!1時間を超えると、1時間ごとに1元ずつ課金され、24時間で最高30元ですが、それ以上になると”倍返し”(ちょっと古い)になり、2日目は30×2+1日目の30元で90元、3日目60×2+2日目までの90元で210元というふうに跳ね上がっていきます。

 ですので、走っていて1時間を超えそうになったら、一旦近くのスタンドに返却してまた借りなおせば、どこまで乗っても無料ということになります。

 あと、盗難防止のロックも付いていますので、ロックを利用すれば、スタンドのない所に少し立ち寄ったりするのも問題なくできます。(ロックはワイヤー式で、タイヤを通したり柱などに巻いたりして、先端を全面の穴に差し込むとカギが外れる仕組みです。カギが紛失してたり、ワイヤーが切れていたりするものは使えません。)

 実際の利用法については、公共自転車スタンドに説明書きが貼ってあります。

 よく分かんないかもですね。要は、それぞれの自転車が収められている機械にカードをかざして、ロックが外れたら取り出す、返却の際はまず自転車の先にある金具を機械に差し込んで、ロックされたらカードをかざす、ということです。

 これがカードをかざす部分の機械。

 ((( ))) の所にカードをかざすと、「租车成功」とアナウンスされ、ロックが外れます。返却する時は、金具を差し込むと「请刷卡」と言われるのでカードをかざすと、「还车成功」とアナウンスされ、液晶に利用料金とチャージの残り金額が表示されて返却が完了します。
 
 ただ、時々、カードをかざしてアナウンスもされたのにロックが外れないとか、金具を差し込んでロックされたのにカードをかざしても反応しない、といったトラブルが生じ、そのままだと利用できないのに借りっ放しの状態となり、課金され続けてしまいます。そんな時は、説明書きがある所の上かどこかに電話番号があるので、そこへ電話して「人工服务」を選ぶとオペレーターにつながるので、利用しているスタンド全体のナンバーと、自分の自転車が収められている機械の番号を伝えます。すると、どうしたら良いのか説明してくれます。でも、これはかなり中国語力が求められますので、全くしゃべれない方はトラブル時の解決能力を持っていない限り自転車の利用をオススメしません。

 ですが、トラブルがなければ、とても便利ですし、晴れていれば気持ちも良いので、とてもオススメです。バスや地下鉄をマスターしたら、次はぜひこの公共自転車を利用して、さらに西安をくまなく散策してみてくださいね。

(まめ知識:公式サイト「http://www.xazxc.com/」からアプリをダウンロードすれば、今どのスタンドに何台自転車があり、何台空きがあるのか、リアルタイムで分かりますよ。)

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