西安に「大変化」が!!

この頃、西安にある“変化”が起きています。それは、これまでの西安では全く考えられなかったことでした。

変化が起き始めたのは、今年の夏前頃からだったように思いますが、あまりはっきりと認識できるものではありませんでした。

変化が鮮明になり出したのは秋頃、特に10月以降かと思います。それが、今ではかなり定着しつつあります。

事象そのものについては、他の一部の都市では見られていましたので、中国文化では無理というものでは決してありませんでしたが、西安人にとっては絶対無理だろうと思われていたことでした。

その変化とは・・・

写真を見て何か気づいたでしょうか? え?よく分からないですか?

ではもう一枚。

どうでしょう?

そう、人が道路を渡ろうとする時、車が停まるんです!

・・・何をそんなに驚いてるの?と思うかもしれませんが、これは以前の西安では絶対に考えられないことだったんです。

かなり前にも記事にした通り(→「みんなで渡れば・・・」)、西安では車と人は轢くか轢かれるかみたいな状態で(って、人は車を轢けないですが…)、人が走る車の間を縫って渡るか、集団で渡って車に圧力をかけるかしかなく、車が人に気を遣って減速はおろか停止するなどということは無かったんです。

それが、今では横断歩道に人がいるだけで停車してきたり、運転席から手で合図して人を先に渡らせようとしたりさえするようになりました。

一体何があったのか、と思いますが、実はこれは去年の後半からのある変化が原因でした。

それは、去年から新しく西安市長になった方が、習近平さんのお膝元である西安を、「文明的な」都市、つまりマナーの良い都市するために送り込まれたことによるもので、去年から早速まず衛生的な都市にするためにタバコのポイ捨てを禁止したり街の清掃員を増員したりしていましたが、今年は道路に「车让人(車譲人)」=「車は人に道を譲りましょう」と書いて、交通マナーの向上に取り組んでいました。

でも、目立った変化が見られなかったからか、最近では横断歩道の近くにパトカーを配置したり、このマナーを守らない人に罰金を課したりして、とにかく徹底させようとしたところ、この数ケ月で上記のような変化が生じました。

ただ、この変化、実はいい面ばかりではありません。

元々西安では人が気を遣いながら道を横断していましたので、まだこの新しいマナーに慣れてない車は、まさか前を走っている車が人を見て停まると思っていないために追突事故を起こしてしまうケースが増えています。私もちょくちょくその現場に出くわします。

そして、人も、まさか車が停まると思っていないため、自分としては横断するタイミングだと思えない時に渡らされて、何だか急かされて渡ることになったりします。

でも、一番危ないのが「サンキュー事故」。車が停まってくれるんだ、と感心しながら渡っていると、停止した車の陰から次の車線に車がすごい勢いで走ってきたりして、危うくひかれそうになることがあります。

今年に入って急に徹底され始めたこの交通マナー。日本ではもうとっくに当たり前のことですが、この国ではまだまだ難しそうです。結局は、西安で道を渡る時はとにかく油断しないように、ということです。譲ってくれたからと安心せずに、轢かれないよう十分気を付けてください。

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