昨晩から今日にかけて、人民元が上昇しています。
流れからすればそんなものかなとも思えるのですが、別のチャートを見ると、何で?と目を疑いました。
それは、コレ。
ドルは円に対して下がり続けているんです。
もちろん、人民元/円はドル円と連動する訳ではなくなっているのですが、納得いかないのは、真逆でしかも割と大きな動きになっているということ。
気になって、ドル/人民元を見てみると、思った通り・・・
ドルが人民元に対して急落していました。
対円で、人民元が上がってるのにドルが下げているということは、ドルの全面安ということですね。
どうやら原因は、Bloombergによると、20カ国・地域(G20)首脳会合が開催されたアルゼンチンで、米中首脳が貿易戦争の一時休戦で合意したことにあるようです。これに伴って、オーストラリアドルや人民元が上昇しているとのことです。
ですので、ドル安に加えて元高の進行ということで、円に対しては今のような動きになっているんですね。
そして、現状、中国政府としては元高容認のようです。
ただ、読みづらい動きには、別の要因もあるようです。
中国外貨取引センターによれば、6月のことですが、集団心理の相場への「影響を緩和させるために、中国は人民元対ドル基準値の価格モデルに逆周期調整因子の導入を考慮した」とのことです。
逆周期調整因子とは、「マクロ経済などファンダメンタルズの変化動態調整に基づき、為替レート形成においてマクロ経済の基本的状況に有利になるよう誘導し、基準値がさらに十分中国経済などのファンダメンタルズ因子、実際の外貨需給、通貨バスケットの変化に反映するようにせしめる」ものだそうです。
簡単に言うと、極端な動きが発生しそうになると、当局が(相場の動きと反対の操作をして)それを緩和できるようにするということのようです。(為替操作国の汚名を嫌っていた割に、それを堂々とかざしているような・・・)
今までずっと、落ちそうで落ちないことや、上げそうで上がりきらないことが多かったのはこのためでしょう。
となると、今回の人民元上昇もどこまでいくのかは不明ですね。こりゃぁ動きが読めないわけです。
今までのモヤモヤがはっきりして、ある意味では良かったのですが、今後は予測すること自体があまり意味が無いのかもしれません。流れに任せるのみですかね・・・。