23日の日中は、目立った動きはなく、上ヒゲを出して下落方向にも見受けられたものの、いつ上昇してもおかしくない程度の動きでした。ただ、この時点で人民元は7.0985ドル/元まで下落していたそうでした。
夕方のロンドン市場ではややドル買いでしたが、パウエルFRB議長のジャクソンホール講演待ちのムードとなっていました。
ところが、夜のニューヨーク市場に入り、中国がアメリカ製品750億ドル相当に対して報復関税を掛けると発表したため、市場はリスク回避の円買いへ転換。ドルは106円台前半に押し戻されます。
追い討ちをかけるように、パウエルFRB議長が講演の中で「景気拡大維持へ適切に行動する」と語ったことが利下げを示唆した発言ととられ、市場はドル売りで反応。
とは言え、この段階ではまだドルは106円半ばでした。
それが、トランプ大統領の「きょうの午後に中国の関税措置に対応する」との発表で一気に様子が変わり、ドル売り円買いが加速します。そして、後刻打ち出されたのが、「中国製品3000億ドル相当への関税を15%に引き上げ」。これが決定打となり、ドルは105円台前半まで下落。人民元そのものの下落と相まって、元は対円では14.83円/元まで下げ、14.85円弱で取引を終えています。
直近8月12日の安値を割り込みましたので、これはどう見てももう一段の下落を示唆しています。特に、トランプ発言があったばかりですので、その影響は週明けに持ち越されるのは必至かと思います。窓を開けるほどの動きとなる可能性もあるのではないでしょうか。
この土日は両替を控え目にして、来週前半の動きで次の底を見極めてうまく対応したいところです。