今日はこちらのいわゆる正月二日目、例年なら街は正月休みの人々で賑わうはずですが、やはり新型肺炎の影響がここにも出ています。
外資系のスーパーに行ってみたのですが、複数ある入口が一つだけに制限されて、「マスクをしましょう」と張り紙がしてあったのには気づいたものの、とりあえず入口の暖房漏れ防止カーテンをくぐって入ると、物々しい様子にビックリしました。
何と、中にはガードマンが何人もいて、「マスクを着用していないお客様は入店できません」、と厳しくチェックしているのです。
そして、その内の一人は消毒用アルコールのスプレーを持って「手を消毒したい方はどうぞ」と勧めてくれました。
まるで、もう西安にも感染がかなり拡大しているかのような雰囲気です。
ちなみに、このスーパーでは一定の距離までネットでの購入と配達を頼めますが、今日はネットでの注文が大量に来ていたらしく、店員さんたちがその処理に追われていました。(下の写真の一つ一つのカートが、一人一人の注文分となっていました。)
もう皆さん家から出るのも心配になっているようです。
また、ある大型百貨店や書店も今日から一週間臨時休業になったり、地下鉄も改札前の荷物検査に体温検査が加わったりなど、各所でもいろいろと対策がとられているようです。
さらに、ある大きな団地の住人の情報では、今日から、団地の四方八方にある幾つもの出入口がすべて封鎖されたそうで、一つだけ出入りできる門もガードマンが厳重に警戒して、外来の客、特に湖北省からの来客をチェックしているそうです。
他にも、ニュース等では以下のことも伝えられていますので、移動の際には注意が必要です。
・1月26日の18:00をもって、政府指定及び疫病防止の必要以外では、長距離バス、貸し切りバス、周遊タクシー、ネット予約の自動車のすべてで、省を跨いで移動するものは臨時運休とする(西安咸陽空港との連絡を除く)。
・西安咸陽空港リムジンバスは大部分を運休とし、運行するのは市内と空港を結ぶ2路線(鐘楼-西梢門経由-空港と西安駅-西安北駅経由-空港)のみ。
こんな感じで、新型肺炎は西安市民の生活にも大きな影響を及ぼしています。
恐らく、この背景にあるのは、陝西省全体で昨日10例増えた感染者数が、今日でさらに7例増えて、22例となり、感染者と密接接触のあった人数も273例まで急増したことと思われます。
下の写真は華商ネットに掲載されている陝西省各地の分布図です。
そして、注目できる感染例が一つありますが、その影響が大きいかもしれません。
その感染例とは、西安市長安区在住の30歳女性で、この方は陝西省で2番目に感染した患者と密接接触があったため、1月23日から隔離観察されていたところ、26日に感染していると確認されたというものです。
その感染元となった陝西省で2番目の感染者とは、陝西省衛生健康委員会のホームページでの書き方と順番が正しければ、杭州へ出張し、そこでの会議の出席者の中に武漢から来た発熱者がいたという、本人は武漢に行ってはいないその感染者のことになります。
それで合っているとすれば、武漢から来た感染者から感染した患者によって、さらに他の人が感染したということですから、スーパースプレッダーによる大量伝染ではなく、新たな感染者が別の人へ伝染させるという、抑え込みの難しい事態になっている可能性が覗えます。
そうであれば、西安でも急に厳重な対応に移行している理由もよく分かります。
ということで、西安も油断できなくなってきました。十分な注意と対策が必要となってきています。
ちなみに、消毒液とマスクはかなり品薄で、品切れの量販店も少なくありません。もし売っているとしても一人一つまでと制限されている店もあります。今となっては貴重なので、もし持っていれば大切に使いたいものです。
ただ、あまりに売れるため、五金店(金物屋のこと)がマスクを売り出したと言っている人もいましたし、ネット上では少々高いですがまだ残っていたりするので、手に入るうちに手に入れておくことをお勧めします。
収まるどころか、全国でどんどんと深刻さを増すこの新型肺炎、西安でももはや他人事ではありません。