この記事を書いている時点で、感染者数はついに中国国内でも7700人を超えてSARSをはるかに上回り、全世界でも7800人以上とSARSを超えるのは時間の問題かと見られます。
西安のある陝西省の感染者数は、陝西省全体で63人、内22人が西安市民となっています。そして、27日（月）に陝西省初の重症患者が唐都医院に運ばれたと一昨日のニュースで報じられました。
本当は一昨日書くつもりだったのですが、この数日仕事上の連絡や買い出しなど忙しく、それに加えてマスクをつけていないと団地を出入りすることも、スーパーに入ることも許されないので、マスクつけっ放しのためちょっと酸欠気味になって疲れてしまっていました。新型コロナウィルスの影響を肌で実感させられる情況です。
まず、どうやら月曜の時点で始まっていたようですが、ほぼすべての飲食店が臨時休業となりました。麵屋も餃子屋も火鍋店もフードコートも、どこも閉まってしまいました。
そして、それらの飲食店で始まったのがこちら。
何をしているかと言いますと・・・
何と、お店の食材を売り始めたのです。各テーブルに野菜が並べられて、まるで八百屋の状態でした。
しばらく営業再開の見通しも立たないので、食材が無駄になると赤字になるだけですし、食品ロスの観点からも良いことだとは思います。
ですが、値段は安くもなければ、普段のスーパーより高いくらいだったので、なんとも商魂たくましく感じました。
でも、それでも買って行く人がまあまあいたので、どういうことかと思ったら、実はすでに相場が変わっていたのです。
後でスーパーに行くと、少し前まで500gが4元ほどだったブロッコリーが・・・
なんと、6.99元！約１．７倍です。
500gが5元ほどだった蓮根は・・・
10.99元！２倍以上です。
500gが3～4元だったトマトに至っては・・・
9.99元！約２．５～３．３倍です。
もちろん、この春節の時期は物流も多くが止るため元々値上がりする時期なのですが、それでもこれはちょっと上がり過ぎかと。
でも、中にはこういう情況につけこんで暴利を貪ろうとする悪人も出始め、普段１つ大体50円くらい、この時期でもせいぜい100円程度の白菜を10倍以上の値段で売った人がいて、警察に通報されて何百万円もの罰金を課されたとＷｅＣｈａｔ上で騒がれています。（これが事実なら、見せしめのためでしょうが、経済的にはほぼ公開処刑に等しいですね。）
こうした実情を受けて、西安市も動き出しました。
昨日の華商新聞のニュースで、物流や人員コストで野菜価格が高騰していることに対して、西安市としての対策が報じられました。
まず、野菜を運ぶ大型トラック１台につき5000元を助成し、商務局・市場監督局・交通局に専門の職員を配置して実施を見届け、公安部にもそれらのトラックは速く通行できるように対応してもらうとのことです。
また、スーパーやコンビニで人員不足のために値上げをせざるを得なかった店舗にも、助成金を出して対応するそうです。
そして、市の備蓄野菜9品目2.08万トンがあるので、1月29日から市内58ヶ所で毎日4品目1200トンを放出して、市場価格の均整化を図るとのことです。
放出場所となっているのは、大部分が大型スーパーの华润万家（華潤万家）各店で、他に２系統のちょっとマイナーなチェーン店各店も指定されています。
加えて、スーパーによっては市当局の価格検査が入ったところもあるそうで、そういうところではむしろ普段より安くなったそうです。
ですので、恐らくもう今日にはある程度正常化しているのではないかと思われますので、ひとまず食生活は大丈夫そうです。
あと、SNSなどではデマ情報も広まっているので注意が必要で、あちこちでも注意を喚起する横断幕が貼られて、科学的でないものに振り回されないようにとか、噂を広めないように言われています。
デマの一つに、肉も野菜もウィルスで汚染されている可能性があるので、インスタントラーメンが安全だというものがあり、スーパーではインスタントラーメンが飛ぶように売れています。
それよりは、ちゃんと栄養のあるものを食べて免疫力をアップしておくべきかと思うのですが。
ほかにも、変な予防法が勧められたり、いろんな食材が根拠なく危険だとか予防効果があるとか言われたりもしています。
中には、感染拡大が実際より深刻化しているといった不安を煽る投稿をしたために、警察から罰金処分にされた人もいます。
とにかく、まずは冷静になって、情報が信頼できるものかどうかよく見極めたいものです。そして、物価の高騰や交通制限などがあっても慌てないで、待つべきか行動すべきか良く考えて判断するようにしましょう。