新型肺炎、中国の飲食業への打撃は想像以上!

数日前にも書いた通り、西安でも新型コロナウィルスによる肺炎の影響で、ほぼすべての飲食店がすでに臨時休業を強いられていますが、その経済的被害は想像以上のようです。

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昨日の華商報オンラインによると、恒大研究院が31日に発表した資料では、今回の新型コロナウィルスによる肺炎がわずか7日間だけで飲食業に与えた被害は、5000億元(約8兆円)にのぼると伝えています。

例えば、西安にも少なくとも4店舗ある四川料理の「眉州東波」というチェーン店は、主に庶民の利用が収益の中心であるため、年越しのこの時期が一年で最も売上を得られる時なのですが、1月21~30日の間に、全国で合計1万1144テーブルの予約、推計約1700万元(約2億7000万円)相当がキャンセルとなりました。これに対して毎月の経費は、全店舗での賃貸料総額が約1116万元、店員の宿舎家賃総額が295万元はかかりますし、今回の伝染病のために消毒やマスク、体温計や防護服などの費用に38万元以上が必要とされていますので、経営がかなり苦しくなることは必至です。

また、西安でも見かけるようになった内モンゴル発祥の「西貝(莜面村)」というチェーン店は、宅配のために100店舗だけを残して全国400店舗がすでに営業休止となっています。ただ、宅配(単独宅配ではなく、Uber Eatsと同じ方式)での売上高は非常に少なく、店舗での営業の5~10%程度に過ぎないため、春節前後の1ヶ月間の損失は7~8億元(約112~128億円)にのぼると見られています。

「西貝」グループの会長の頭をさらに悩ませているのは、現在2万人以上の社員が待機状態で、国の規定に従って給料を支払い続ければ、1ヶ月当たり1.5億元(約24億元)の出費となることです。会社としては、毎年この年越しの期間が収益のピークとなり資金を回収できるため、それを見越して年越し前にローンも支払い、社員にボーナスも渡してしまったため、手元に資金があまりない状態となってしまっているようです。しかし、もしこのまま今回の伝染病が短期間に収束しなければ、手元の資金では3ヶ月持ちこたえられず、たとえ借金をして給料を支払っても、やはり3ヶ月は持たないとのことです。

共同通信なども、今日から再開された上海市場は8%超の下落、人民元は0.54%下落と伝えていて、中国経済全体の減速が懸念されていますが、特に飲食業では生き残れる見込みさえ無くなりつつあると言っても過言ではないでしょう。

この新型コロナウィルスは1~3月までくらいなのではないか、とも言われてはいますが、あくまで希望的観測も含まれており、SARSのように半年以上続く可能性もないとは言えません。

まだまだ収束の見通しは立っていませんが、収束した後には街が今とかなり違う様子になってしまっているのではないでしょうか。

きっと、「あぁ~、あれ食べておけば良かったな~」、ということになるんでしょうね。

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