新型コロナウィルス肺炎、不明な感染ルートと診断の難しさが抑え込みを妨げている!?

華商報オンラインで毎日、西安を含む陝西省内で新たに確認された感染者数と各感染者の詳細が掲載されるのですが、最近ちょっと気になる傾向が見られています。

これまでは、湖北省に行っていたとか、湖北省から来た人に接触したとかいう患者が多かったのに、ここ数日はその中に明確な感染経路がつかめないものが増えてきているのです。

2月10日発表時点での陝西省全体の感染者数は累計208人、その内省外で感染して入って来た例が112人、感染者との密接な接触によって感染した例が84人、そして感染者との明確な接触が無かった例は12人となっています。

陝西省衛生健康委員会の指摘によると、陝西省では次の4つの特徴が見られるとのことです。
1.省外で感染して入って来た例が徐々に減ってきており、省内での感染例がますます増えている。
2.軽症患者と無症状感染者が増えてきているので、感染を発見するのが難しくなってきている。
3.集団感染がすでに発生しており、その中には13人が同時に発病したケースがあり、主に家庭内や親戚友人と集まっている時に発生している。
4.個別の感染例では、感染者との明確な接触が無い。

日本のニュースでも空気感染があるのでないかという報道がなされていますので、もしかすると同じ空間に感染者がいたことが原因なのでしょうか?

そして、もっと厄介なのが、無症状感染者の存在と、1回の検査で陽性反応が出ない人がいるということです。

無症状感染者は、感染しているのに症状が出ないため、本人も病院に行く必要を感じないため、診断されずに他の人に接触して感染させてしまう可能性があります。

一例として、河南省のある患者は、17日間無症状だったものの、その後で新型コロナウィルスに感染と診断されましたが、その間にかなりの人と接触しています。

また、何らかの症状があっても1回の検査で陽性反応が出ない人の場合、別の病気と診断されてしまい、やはり隔離されないことになります。

例えば、ある患者は、武漢から帰って来た弟と3週間前に食事をした時に感染したようですが、その感染元である弟は、3回の検査がすべて陰性で、4回目の検査でやっと新型コロナウィルスに感染と診断されたとのことです。そして、この本人も全身の脱力感や38℃以上の高熱、せきや嘔吐が続き、病院へかかったもののインフルエンザと診断されてしまい、その後何度も新型コロナウィルスではないかと訴えるのですが、しばらくはインフルエンザとして扱われ、一週間以上経ってやっと新型肺炎の疑い有りとされました。

同様の例は2月10日の報告でも有り、陝西省の新感染者5人の内1人は、2月2~8日の期間に5回検査を受けた結果が1回目疑似陽性、2回目疑似陽性、3回目陰性、4回目陰性、5回目陰性だったのに、2月10日の検査でついに陽性が確認されたとのことです。

このように、診断の難しさが感染者の隔離を遅らせ、感染をさらに拡大させていることも窺えます。

あと、これまで子どもはかかりにくいと言われたりしていましたが、そうでもなさそうです。発表によると、陝西省ではすでに、3歳9か月~15歳までの児童7人が感染しているとのことです。 そして、2月5日には初めて妊婦の感染例も確認されました。

こうしたことに加えて、SARSでも活躍した医師 钟南山が2月9日に述べたところによると、潜伏期間は最長で24日に及ぶことがあるそうですので、もし仮に近々感染拡大のピークを迎えたとしても、収束まではまだまだ時間がかかりそうです。

それで、勧められている通り、子どもは特に、大人も極力外出を避け、人の多い所に行かないようにし、外出時はマスクを着用し、手洗いと室内の消毒、換気をよく行うことが大切です。そして、引き続き、適度な運動、バランス良い食事、十分な睡眠を心掛けて、ウィルスに抵抗できる身体を作っておきたいものです。

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